Dettagli del libro
Formato
Brossura
Pagine
408
Lingua
Giapponese
Pubblicato
Oct 22, 2021
Editore
Independently published
ISBN-13
9798751891268
Descrizione
既刊の電子書籍版「泉鏡花 現代語訳集」の中から、「春昼・春昼後刻(しゅんちゅう・しゅんちゅうごこく)」「草迷宮(くさめいきゅう)」の二つの小説、および「天守物語」と対をなすともいえる戯曲「夜叉ヶ池(やしゃがいけ)」を採った、合冊版の紙書籍です。
【春昼・春昼後刻―あらすじ】
夢を見ないか―と人に勧めているような、この上なく麗らかな春の日に、一人の散策者が三浦半島の付け根にある山寺を訪れる。
あたりに張り散らされた巡礼札の中、美しい女文字で書かれた和歌に目を留めた彼は、寺を守る出家から、この歌にまつわる不思議な話を聞かされる。
それは、互いに触れ合うことも、言葉を交わすこともない、常識では計り知れぬ情念の働きかけと受け止めのみによる、夢の契りで結ばれた男と女の物語だった。
そして寺を辞し、出家の話に思いを巡らしながら宿へ戻る途中、散策者は自分の行く手にその女主人公の姿を認めるのである。
【草迷宮―あらすじ】
物心つく前の最後の記憶に残る、亡き母の唄っていた懐かしい手毬唄。
それについて思い出したのは、母とよく一緒に毬をついていた三人の娘のことである。
一人は既に亡くなり、一人は嫁いで会うことができず、もう一人は神隠しにあって行方が知れない。
唄への憧れが募り、その文句を求め、その娘を探して、諸国を旅して回っていた葉越明は、ある夏、三浦半島秋谷を流れる小さな川で、五色の糸でかがられた美しい毬を拾う。
ちょうどそこへ来合わせた爺に、その地で起こった不思議な話を聞いて、彼は黒門の別邸と呼ばれる曰くつきの屋敷の一間を借りることにした。
しばらく滞在して旅の疲れを休めたく、また、そこで自分の望みが叶うような気がしたからである。
一方、街道の茶店で、爺に連れ添う婆から、やはり黒門での無残な出来事を聞き、浮かばれぬ人々の供養を頼まれた旅の僧が、その夜、明と二人、蚊帳の中に枕を並べていると、ぽたり―と何かがその枕元へ落ちてきた……
【夜叉ヶ池―あらすじ】
文学士山沢学円は、見物学問の帰り道、三国ヶ岳の麓で、行方不明となっていた親友の萩原と思わぬ再会をする。
萩原も一昨年、この山中にある夜叉ヶ池を見に来たのだが、鐘撞き堂を守ってきた老人の死に遭遇し、さらに人間離れした美しさの娘、百合と出会ったことで、そこに隠れ住むことを決意したのであった。
その鐘は、昔夜叉ヶ池に封じ込められた竜神に、池から出ないという約束を守らせるため、一日に三度撞き鳴らすべきもので、一度でもこれを怠ると、たちまち大嵐が起こり、一帯は水の底に沈むと言い伝えられている。
この約束に縛られ、恋しい千蛇ヶ池の親王に会いに行くことのできない、現在の夜叉ヶ池の主、白雪姫は、自らの手で鐘を打ち壊そうとするが、従者たちの懸命な説得と、ふと聞こえてきた百合の子守唄により思いとどまる。
しかしその直後、旱魃に耐え切れなくなった村の者たちは、雨乞いの生贄とするため百合を捕らえにかかるとともに、萩原には鐘を撞く事を止めるよう迫ったのである。
※「夜叉ヶ池」には、山津波の描写が含まれています。2011年早春に起こった大震災、およびその後の豪雨災害などの辛い記憶がお残りの方には、心の傷がお癒えになってからお読みいただければと思います。
【あとがき より】
本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。
鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。
訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった…
【訳者略歴】
白水 銀雪(しろみ ぎんせつ)
慶應義塾大学大学院修士課程修了・博士課程中退(専攻:数学)
システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事
現在、蓼科にて山暮らし
【春昼・春昼後刻―あらすじ】
夢を見ないか―と人に勧めているような、この上なく麗らかな春の日に、一人の散策者が三浦半島の付け根にある山寺を訪れる。
あたりに張り散らされた巡礼札の中、美しい女文字で書かれた和歌に目を留めた彼は、寺を守る出家から、この歌にまつわる不思議な話を聞かされる。
それは、互いに触れ合うことも、言葉を交わすこともない、常識では計り知れぬ情念の働きかけと受け止めのみによる、夢の契りで結ばれた男と女の物語だった。
そして寺を辞し、出家の話に思いを巡らしながら宿へ戻る途中、散策者は自分の行く手にその女主人公の姿を認めるのである。
【草迷宮―あらすじ】
物心つく前の最後の記憶に残る、亡き母の唄っていた懐かしい手毬唄。
それについて思い出したのは、母とよく一緒に毬をついていた三人の娘のことである。
一人は既に亡くなり、一人は嫁いで会うことができず、もう一人は神隠しにあって行方が知れない。
唄への憧れが募り、その文句を求め、その娘を探して、諸国を旅して回っていた葉越明は、ある夏、三浦半島秋谷を流れる小さな川で、五色の糸でかがられた美しい毬を拾う。
ちょうどそこへ来合わせた爺に、その地で起こった不思議な話を聞いて、彼は黒門の別邸と呼ばれる曰くつきの屋敷の一間を借りることにした。
しばらく滞在して旅の疲れを休めたく、また、そこで自分の望みが叶うような気がしたからである。
一方、街道の茶店で、爺に連れ添う婆から、やはり黒門での無残な出来事を聞き、浮かばれぬ人々の供養を頼まれた旅の僧が、その夜、明と二人、蚊帳の中に枕を並べていると、ぽたり―と何かがその枕元へ落ちてきた……
【夜叉ヶ池―あらすじ】
文学士山沢学円は、見物学問の帰り道、三国ヶ岳の麓で、行方不明となっていた親友の萩原と思わぬ再会をする。
萩原も一昨年、この山中にある夜叉ヶ池を見に来たのだが、鐘撞き堂を守ってきた老人の死に遭遇し、さらに人間離れした美しさの娘、百合と出会ったことで、そこに隠れ住むことを決意したのであった。
その鐘は、昔夜叉ヶ池に封じ込められた竜神に、池から出ないという約束を守らせるため、一日に三度撞き鳴らすべきもので、一度でもこれを怠ると、たちまち大嵐が起こり、一帯は水の底に沈むと言い伝えられている。
この約束に縛られ、恋しい千蛇ヶ池の親王に会いに行くことのできない、現在の夜叉ヶ池の主、白雪姫は、自らの手で鐘を打ち壊そうとするが、従者たちの懸命な説得と、ふと聞こえてきた百合の子守唄により思いとどまる。
しかしその直後、旱魃に耐え切れなくなった村の者たちは、雨乞いの生贄とするため百合を捕らえにかかるとともに、萩原には鐘を撞く事を止めるよう迫ったのである。
※「夜叉ヶ池」には、山津波の描写が含まれています。2011年早春に起こった大震災、およびその後の豪雨災害などの辛い記憶がお残りの方には、心の傷がお癒えになってからお読みいただければと思います。
【あとがき より】
本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。
鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。
訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった…
【訳者略歴】
白水 銀雪(しろみ ぎんせつ)
慶應義塾大学大学院修士課程修了・博士課程中退(専攻:数学)
システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事
現在、蓼科にて山暮らし