説明
(この本について) 文豪ドストエフスキーの若き日のデビュー作。 この作品がどれほどの衝撃を当時の文壇に与えたかは以下の文に詳しい。 ……グリゴローヴィチが、ドストエフスキーより一歩先んじて文壇にデビューしていたので、詩人であると同時に事務的才能をもって知られたネクラーソフのもとに、親友の原稿を携えて行った。ネクラーソフは、「十ページばかり読んでみたら、どんなものか見当がつくだろう」といったような気軽な心持ちで、グリゴローヴィチといっしょに読み始めた。しかし、最初の十ページが読み終えられると、さらに次の十ページが読まれ、ついに二人は一気に最後まで読了したのである。ポクローフスキー老人がわが子の棺を追って走るくだりまで来た時、ネクラーソフは思わず平手で原稿をとんと叩いて、「ええっ、この作者はなんて男だろう!」と叫んだ。二人が原稿を読み終わったのは、もはや夜明けの三時頃であったが、彼らは興奮と感激を抑えることができないで、これからすぐ作者ドストエフスキーを訪れようと相談一決した。「なに、寝てたってかまやしない、叩き起こしてやろうじゃないか。これは睡眠以上のものだ」 その晩ドストӝ